虚子探訪(190) 羽抜鳥

【虚子探訪(190)】

 

「羽抜鳥身を細うしてかけりけり」

 

昭和6年12月2日。羽の抜けた鶏が、何かに驚き本能的に身を細く引き締め駆けていった。哀れな羽抜鳥。

 

「鷹の目の佇む人に向はざる」

 

昭和6年12月11日。東大俳句会。丸ビル集会室。

虚子がどこの鷹の様子を思い浮かべて句作したかはわからない。鷹は、立ち止まり見ている人には目もくれず、遥か彼方を凝視する。