短夜

夏の季語である「短夜」(みじかよ)は、角川文庫の歳時記に「夏は夜が短く、暑さで寝苦しいのでたちまち朝になってしまう。明けやすい夜を惜しむ心は、ことに後朝(きぬぎぬ)の歌として古来詠まれてきた。」とある。

本当に寝苦しい毎日である。浪漫溢れる朝はなく、ただ寝不足の顔があるばかり。

 

短夜や空とわかるる海の色

 

夏の海の夜明けを見事に詠んだのは、蕪村の高弟である高井几菫(きとう)。