第3回飯田龍太賞

第3回飯田龍太賞は、東京都の境幹生氏の「菜の花」が受賞。第1回から応募しているが、予選通過ができない。「案山子」のタイトルで出した私の15句。

 

案山子立ち案内をする道の駅
立葵通リ過ぎ行く人ばかり
とんとんと空かけ昇る黄鶺鴒
焼鮎の骨も残さず食はれけり
コンビニの裏に広がる虫の闇
葫の芽の真直ぐに頭出し 
秋曇地を指している傘の先
野分中動かぬ電車人いきれ
柿の実の次々落ちてつぶれけり
老犬が足舐めてをり長き夜
吾亦紅耕す人の無き畑
渋皮をきれいに剥がし栗おこわ
新米のぬくみそのまま貰ひけり
奥山のかそけき声を白芒
引出しの聖書は備品秋の宿