夏隣

5時30分に目覚め、部屋のカーテンを開ける。窓の外は明るくて、朝の景色がまぶしい。少し前は、この時間だと真っ暗だったのが嘘のよう。今日は青空がひろがり、暑くなりそうだ。
GW 中は雑誌も休みが多いが、月刊少年マガジンが発売されていてうれしい。今一番の贔屓は『さよなら私のクラマー』。女子サッカーの漫画だが、熱いねえ。何故このタイトルなのかはわからないが。
さあ、いよいよ10連休明けは、夏に突入だ。


夏近し雲見て膝に手をおけば


富安風生の句。

平成最後の日

今日で平成も終わる。5時30分起床。雨が降っているので、散歩は省略。野菜サラダを作り、朝食。
仕事なので、6時50分家を出て瑞浪駅へ。連休のため学生も通勤のサラリーマンもおらず電車はがらあき。会社の近くファミマで100円コーヒーを飲み出社。いつもと変わらぬ一日が始まる。午前中は、経費の仕訳作業を予定通り処理。
昼食は、近くの中華料理店でチャーハンと塩ラーメンのランチセットがコーヒー付いて700円。
午後からは給料の仕訳作業にかかるが、何故か勘定が合わず難航。給与システムを切り替えたため、手直しが発生しているので、順番に詰めていき、間違いの原因が判明した頃には、事務室に最後の一人となり、鍵を締めて退社する。JR 金山駅で6時30分の中央線快速中津川行きに乗車。
7時45分頃に帰宅。夕食のあと入浴。携帯句会の選句締切日。結果発表の編集作業にかかる。平成最後の日であるが、いつもと変わらぬ日常。
「平成」はわが人生の30~50歳台の時期にあたり、よく働きました。最初の会社は、すでに定年退職して今も働いているが、病気もせずに元気に過ごせたことは天に感謝したい。
「令和」の時代が良い時代となることを祈ろう。


春惜しむおんすがたこそとこしなへ


水原秋櫻子の句。

犬の散歩コースは二つあって、一つは高校の正門まで坂道を登っていくコース。途中に工藤の本家へ行く道があり、猫二匹が道の真ん中に並んで座っている。飼い猫なのか野良猫なのかしらないが、この周辺は彼らの縄張り。実家の家に行くと、物が積まれた部屋の一角に鎮座した猫を発見。これは実家と隣家をいったり来たりする猫、何を食べているのか結構太っている。昨日は家の隣から、しきりに猫の鳴き声が聞こえてきた。発情期は過ぎたと思うが、何が起きているのだろう。猫もよく考えると、結構近所にいるのである。

 

猫の貌庭から屋根から窓口から   

 

渡邊白泉の句。

藤の花

桜の時季が過ぎると、次は藤の紫色の花が目を楽しませてくれる。家の前の林に山藤が咲いているのを発見。散歩のコースにある廃屋には、藤がかぶさるように絡みつき花を咲かせている。藤には、右巻きと左巻きがあり、右巻きが「フジ」「ノダフジ」と呼ばれ、左巻きが「ヤマフジ」「ノフジ」と呼ばれている。クドウの一字は「藤」であるから、よけいに親近感がわくのだろうか。

 

草臥れて宿かるころや藤の花

 

松尾芭蕉の句。

座談会「平成俳句とその後を語る」

平成があと数日で終わる。俳句雑誌の5月号は、いずれも平成の総括特集。『俳句界』5月号で、高柳克弘、生駒大輔、仙田洋子、田中亜美の座談会「平成俳句とその後を語る」が掲載されている。対談は、若手の気分が分かって面白い。ただ時代の捉え方が極めて類型的なのと、人生に物語をあまりに求めすぎている気がする。これは、ゲーム世代の感覚なのか。

 

荒星や毛布にくるむサキソフォン

 

摂津幸彦の句。

露人ワシコフ

露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す


西東三鬼の有名な句である。
しかし、この句は何を伝えたかったのだろう。はっきり言ってわからない。ワシコフというロシア人が、ザクロを叫びながら打ち落とす光景に、三鬼の心は騒いだのである。説明がつかず言い様のない感覚が確かにそこにある、それがこの俳句から伝わってくるからこそ、読みつがれるのだろう。
俳句は短い。たった十七音だが、世界の深淵に通底する力を持つ。