風車、ツバメ、駅へ行く道

【自解・萩原5】

「道端に挨拶続くきんぽうげ

外出した時に一番みかけるのが、きんぼうげ。繁殖力が強いのだろう。道路脇にきんぼうげの黄色の花が、ずらりと咲き揺れている様子を挨拶をしているように感じ作句。

「風車カラカラ回りやがて雨」

駅へ向かう道に、ペットボトルを工作した風車が設置してある。風の強い日には勢いよくカラカラと音を立てて回っている。雲が立ち込めた空は灰色、今にも泣き出しそうだ。暫くして雨が降り出した。

「たんぽぽの笑い顔なるオムライス」

すでに紹介したが、東京「たいめいけん」訪問記念の句。

「つばくらめ曲線を描く此処彼処」

駅へ向かう道を歩いていると、ツバメを何羽も見かける。軒先に巣を作っているのだろう。餌を探しているのか、それとも遊んでいるのか、ツバメがあちこちに曲線を描きながら飛んでいる様子は楽しい。

「新緑や世界一新山津波

4月後半から5月初頭、山々が新緑となる。1年で最も美しく生命力の溢れる時季である。山に津波が押しよせたかの如く、すべてを新たな緑に塗り替え、世界は一新されるのだ。


『こころの歳時記』(石寒太、毎日新聞社、2012年)読了。この本アマゾンで購入したが、著者署名本。著者は俳人で「俳句αアルファ」の編集長。知らない秀句が沢山ある。