落葉放浪記
【自解・萩原21】
「紅葉のうねりし山を走りけり」
高速道路を走ると山の紅葉が素晴らしい。山ごとに色合いも違う。まるで山がうねっているかのようだ。
「さようならまた遊ぼうね日短」
夕暮れの電車に乗り込んできた女の子が、車窓から友達に「さようなら、また遊ぼうね」と大きな声を掛けるのが聞こえた。それをそのままいただいて、出来た句。楽しかった今日の日。
「時雨るるや険しき顔で傘をさす」
雨が降ってきた。嫌だなという気持ちが顔の表情に現れる。仕方ないなあと、傘をさして歩きだす。
「寒園にまだまだ咲けり百日草」
寒さが厳しくなってきたが、庭の花壇には百日草が、まだ咲いている。寿命の長い花である。
「跳ね転び路上に落葉放浪記」
路上の落葉は、車が通るたびに舞い上がり、跳ねて転んで居場所を替えていく。落ち着く先は何処。それぞれ記す放浪記。