信州戸隠

【自解・萩原65】

「空高し鉄塔山をつなぎゆく」

屏風山の山並をつないで、送電線の鉄塔が続いていく。

「朝明けて四方八方虫の声」

朝、目覚めると虫の音が鳴り響いている。すっかり秋となっている。

「トーストにバターひろげて秋日和

豊かな秋の色。トーストに塗り拡げたバターが溶けていく黄金色。鼻先を漂う芳ばしき香り。

「七曲登り来たりし蕎麦の花」

「戸隠や残暑を払う蕎麦の膳」

「信州戸隠二句」の前書き。難所の七曲(ななまがり)の坂を越え戸隠の里へ。宿坊で食べた蕎麦の旨かったこと。