虚子探訪(156) ザボン

【虚子探訪(156)】

 

「はなやぎて月の面にかかる雲」

 

 月が美しく光り輝いている。雲が月にかかっているが、それさえも華やいで見えることだ。

 

「われが来し南の国のザボンかな」

 

昭和3年10月7日。福岡市公会堂に於ける、第2回関西俳句大会に出席。会衆400。清三郎、禅寺洞、より江、久女、しづの女、泊月、王城、野風呂、橙黄子等。

わたくしは、はるばるやってきました南の国へ、ザボンの実が歓迎のお出迎え。うきたつ気分の挨拶句。「ザボン」が俳句大会の席題だった。