久保田万太郎

久保田万太郎の俳句が好きである。枕元に中央公論新社の『久保田万太郎全句集』をおいて拾い読みしている。私の所有しているのは第8版だから、結構売れたのだ。句集が版を重ねるのは珍しい。
万太郎俳句は、その調べ流麗にして人生の哀感がただよう。愛唱する句がいくつもある。万太郎は俳句は余技としたが、季語別の分類された俳句には、最善を探す推敲の跡が生々しい。余技だから力を抜いていたわけではない。


神田川祭の中をながれけり


万太郎の代表句。