俳句甲子園世代

俳句界の中で、俳句甲子園の出場者が一つの流れを形成してきているように、佐藤郁良の『俳句を楽しむ』(岩波ジュニア新書)を読んで思った。佐藤郁良の俳句開始が俳句甲子園参加であり、神野紗希の「カンバスの余白八月十五日」との鮮烈な出会いが俳句に目覚める契機だったと書いている。佐藤率いる開成高校のメンバーが山口優夢で、初優勝。この開成高校の指導に櫂未知子が入り、後の「群青」創刊につながっていく。開成の俳句部からは田中裕明賞を受賞した小野あらたが出て、小野の指導を受けた小山玄黙は星野立子賞を受賞し、現在は「群青」編集長である。作句の信条ではなくイベントで人間関係が形成されていくのも現代風である。

 

旅いつも雲に抜かれて大花野

 

岩田奎の句。第20回俳句甲子園の最優秀句。