二月尽

新暦二月の終わり。短い月が慌ただしく過ぎ行く感慨と同時に、寒さが緩み、春本番に向かうほっとした気分もただよう。」角川の歳時記の説明。

2月の短いこともあるが、何か高速回転で毎日が終わっていく気がする。もう1年の6分の1が終わったのかと思う。

 

ひたすらにも飽き何處ゆく風二月

 

中原道夫の句。

 

啓蟄

啓蟄は、新暦3月5日ごろとされる。暖かくなって冬眠していた蛇や蛙、蟻などが地面から這い出て活動しだす頃をいう。昨日は、部屋にカメムシが現れ動き回っていたが、あいつは一体どこに隠れていたのだろう。

もうすぐ2月も終わり、もぞもぞと動きだしますか。

 

啓蟄のつちくれ躍り掃かれけり

 

吉岡禅寺洞の句。

CoCo壱番屋

CoCo壱番屋のカレーが、無性に食べたくなる時がある。TVで武井壮が、チーズをトッピングしたフイシュフライカレーをご馳走だと言って食べているのを見ていたら、CoCo壱のカレーを食べたいという欲求に取りつかれる。

店に入って、ほうれん草とアサリのカレーを三辛で注文。ハフハフ言いながら食べました。カレーのチェーン店で大きく展開できたのはCoCo壱番屋だけ。カレーは国民食といえるぐらいポピュラーだけど、難しい食材なんだろうな。

 

はうれん草入れて今日はカレーの日

芝不器男

 

2月24日は芝不器男の忌日。1930年(昭和5年)に27歳の生涯を閉じた夭折の俳人である。年若くしてこの世去ったが、残された作品は珠玉。石田波郷がわざわざ句集をつくり世に残そうとしただけのことはある。

 

人入つて門残りたる暮春かな

白藤や揺りやみしかばうすみどり

寒鴉己が影の上におりたちぬ

あくび

あくびは眠気が襲えば季節に関係なく見られるが、なんとなく春の季節に相応しい気がする。
あくびは充足感あるいは倦怠感につながる。前提として、満ち足りた状況が存在するのだ。
そう言えばハクション大魔王の妹は、アクビちゃんではなかったか。「呼ばれて、飛び出て、ジャジャジャーン」今もこのフレーズは覚えている。


妻もするうつりあくびや春の宵

日野草城の句。

春めく

「春めく」とは、寒さがゆるみいかにも春らしくなることをいう。昨日は結構寒かったが、昼食時に堀川端に菜の花が咲いているのを発見。目にまぶしいあざやかな黄色が春を告げていた。

 

春めきてものの果てなる空の色

 

飯田蛇笏の句。