天の川銀河発電所

アマゾンから『天の川銀河発電所』(佐藤文香編著、左右社)が届く。佐藤文香が最近積極的に活動している。この本現代俳句ガイドブックと銘打たれているが『新撰21』のメンバーに活躍中の40代までの俳人を加えた俳句アンソロジー。俳句の多面性を表示して、俳句に新たな読者を呼び込みたいとしてつくられている。

俳句界は高齢者があふれており、若い世代の俳句を取り上げたいという気持ちと、単に俳句として成立しているがキレイなだけの俳句は排除したい趣旨はよくわかる。

ただ気になるのは、歪んだ表現を新しいとして追及していないか、秀句もあるが奇をてらっているとしか思えない俳句が多い。またそうした俳句を選ぶ編者の責任はある。「おもしろい」「かっこいい」「かわいい」のコンセプトで編集されているが、しっくりこないのは俳句表現のゆきづまりの表れか。最後の「収録作家分布図」のようなレッテル貼りは、多様な表現を追求する作家たちの意図に反する無用なものであろう。

 

てざわりがあじさいをばらばらに知る

 

一番最初に掲載されている、福田若之の句。

 

 

現代俳句の鑑賞事典

書棚を金具で補強して本を収納し終り、やっと部屋を片付けることができた。

『現代俳句の鑑賞事典』(東京堂出版、2010年初版)が出てきた。宇多喜代子、黒田杏子の監修で赤尾兜子から渡邊白泉まで159人の俳人の句が鑑賞されていて、とてもいい本だと思う。俳句を始めた頃にアマゾンで購入したが、なんと阿波野青畝の頁が切り取られていて、結局タダにしてもらった思い出がある。おかげで本にふだんはしないが、しっかり書き込みして勉強しました。定価2800円だから、すごく得した気分。

そんなことも、過去の思い出となりましたが、俳句は上達しないね。

 

遠くまで行く秋風とすこし行く

 

矢島渚男の句。

長月

九月に入った。朝起きると肌寒い。本格的な秋の到来を感じる月、私の誕生月である。

スーパーで無花果を買ってくる。食用にされるのは、実のように見える花嚢と言われる部分で、小さな花が集まったもの。柔らかくて美味しい、たまに食べたくなる。

 

松の幹みな傾きて九月かな

 

桂信子の句。

八月尽

今日で八月も終わり。散歩すれば、いつの間にか田んぼの稲穂はたわみ、柿の実は遠くからでもわかるほど大きくなっている。
昨日名古屋駅のゲートタワーのビックカメラへ行ったら、酒を売っていてびっくり。驚くことではないかもしれないが、小売の現場では際限なくクロスオーバーが進む。

とめどなく八月尽の滝の音

百合山羽公の句。

おでん

コンビニは毎日利用する。よく行くのは会社近くのサークルK 。8月の中頃から、店前にはおでんの旗をたてセールスしている。汗だくの日ばかりだが、立秋を越えれば、おでん恋しい人も出てくるのかしら。酒飲みには、つまみの定番ですが。


コンビニのおでんよく煮え星月夜

大正俳句のまなざし

書棚から本が溢れ出し、部屋は本が散乱状態。本の山からNHKテキスト「大正俳句のまなざし」(小島健、2010年)を拾い上げ読みだす。この時代の俳句は格調高く、余韻がある。よく知った句が多いが、改めて名句と思うことしきり。しかし、本と戯れていては整理は進まない。

 

生涯の影ある秋の大地かな

 

長谷川かな女の句。

書棚崩壊

蒐集癖が強いので何かに夢中になると、山のように物があふれてしまう。俳句の本が山積みになったので片付けていると、本棚が崩壊。棚の書物が溢れ出し、どうにも止まらない。散乱する本の山。阪神大震災の時、谷沢栄一は此の数倍の崩壊とむきあったのかと思うと凄まじさが推測される。ホームセンターで買った書棚が歪んで止めフックが効かなくなったのが原因。補強して修復しなくては。

 

ひとり膝を抱けば秋風また秋風

 

山口誓子の句。