介護認定調査

介護の等級認定のための市の調査を受ける。午後2時から、施設で本人面談と家族、施設職員の聞き取り、40分程で終了。老人相手の面談は、傍らで聞いていても大変な仕事である。わが母も難聴で片耳は聞こえないし、話は自分のことを一方的にしゃべるだけ。聞きたいことを聞き出すには相当忍耐力がいる。今回の調査結果は1か月後に通知される。


子に母にましろき花の夏来る
 

三橋鷹女の句。

久保田万太郎

久保田万太郎の俳句が好きである。枕元に中央公論新社の『久保田万太郎全句集』をおいて拾い読みしている。私の所有しているのは第8版だから、結構売れたのだ。句集が版を重ねるのは珍しい。
万太郎俳句は、その調べ流麗にして人生の哀感がただよう。愛唱する句がいくつもある。万太郎は俳句は余技としたが、季語別の分類された俳句には、最善を探す推敲の跡が生々しい。余技だから力を抜いていたわけではない。


神田川祭の中をながれけり


万太郎の代表句。

柿若葉

十連休も今日が最終日。私は今日も仕事です。
土日休みが2回と1日休みにしたので、合計5日で世間の半分の休みでした。

家の柿の木が若葉をつけて、新緑の緑が鮮烈。何処の家にも柿の木が植えられているが、柿の実を喜んで食べることもなくなった。干し柿も作らなくなった。人間の都合に関係なく今年も柿は実をたわわにつけるのだろう。


八年の先のまた先柿若葉

古書店めぐり

第1回名古屋古書即売会が名古屋吹上ホールで開催というので見に行く。名古屋骨董祭のコーナーに山星書店と一二三館書店が出店している。文庫3冊と上村占魚の句集を購入。まだ時間があるので桜山へ足をのばす。こもれび書房で『久保田万太郎回想』と『長谷川双魚集』(牧羊社、1986年)を抜く。続いて山星書店で林信子の第10句集『草影』(ふらんす堂)ゲット。隣の一二三館書店では『林田紀音夫全句集』を入手。実り多き一日となる。

 

本の山くづれて遠き海に鮫

 

小澤實の句。

鴇田智哉

鴇田智哉が「俳句」5月号に、「俳句の不謹慎さ、そして主体感」というエッセイを書いている。鴇田は「俳句はそもそも意味を申し伝えるものなのだろうか」と問いかける。俳句のわずか十七音で意味を伝えることができようか、伝えるための手段としては俳句という形式は適切ではない。では俳句とは何なのか。エッセイではいまいちわからないので、鴇田にはさらに俳句の不謹慎さ・主体感について論じてほしい。今後の鴇田の活動に期待する。

 

十薬にうつろな子供たちが来る

 

鴇田智哉の句。

クリムト

ちくさ正文館にいく。雑誌コーナーにクリムトの本が2冊挿してある。東京都美術館クリムト展が開催されている関係か。東海地区は巡回展が豊田美術館で予定されている。楽しみに待つとしよう。
クリムトは『接吻』の絵が有名だが、愛知県美術館が所蔵する黄金の『黄金の騎士』の絵が好きで、リビングルームにポスターを飾ってある。クリムトの絵は憂愁をまといつつゴージャス。黄金の騎士はクリムト自身らしいが、燦然と耀いている。


夢の世の花の吹雪ぞただ狂へ


角川春樹の句。