句集作成(6)

最終校正も終わり、印刷の指示を出す。もう後は製本された句集の納品を待つだけ。
原稿データは、全部自分で作成した。2回目の本作りなので、少しは慣れてきた。次の句集は何時になるのかわからない。さて100冊頼んだが、誰に配ろうか。


仕事終えマルセイサンド夏館

子供の頃はホタルなど珍しくもなく普通に見かけたが、農薬の影響か最近は飛んでいるのを見ない。
宮本輝に『蛍川』という小説があるが、由布院の町を流れる川に、蛍が群れ翔ぶ様子はまさに蛍川であった。最近は、わが住む町の川にも蛍が鑑賞できるほど翔ぶらしいので、見に行こうかと思う。


蛍火の明滅滅の深かりき


細見綾子の句。

夏燕

燕が気持ちよさそうに、田んぼの上を飛び回っている。餌を探しているのだろうか。

朝の陽ざしが眩しい。すいすいと空を滑るように飛んでいく。いかにも、夏という感じがする。

 

夏燕水したたらせ空へ又

 

白石渕路の句。

サクランボ

スーパーにいくと、サクランボが並べてある。山形産の佐藤錦を1パック購入。甘くてジューシー、この時期でしか味わえない口福。
昔『黄色いサクランボ』という歌が流行りました。思春期の少年は、「若い娘がうふん、お色気ありそで、なさそで、ありそで、ほらほら黄色いサクランボ」のフレーズにはまったのでした。


茎右往左往菓子器のさくらん


高浜虚子の句。

シマウマ書房

雑誌「BRUTUS]の特集は「名古屋の正解」で、シマウマ書房が今池に移転したことを知る。本山の店はよく覗いたが、これは行かねばなるまい。

名古屋古書会館の古書展「オールデイズ」をみてから、JRで鶴舞駅から千種駅に。めざす店のある今池は地下鉄1本の距離なので歩くことに。途中ちくさ正文館に立ち寄り文庫本を1冊購入。今池ドン・キホーテを東に進み、イオンを越えたところにシマウマ書房はあった。3階建てのビルで、1Fは客寄せの雑本コーナー、階段を上がるとメインの書棚が広がる。照明を落としてこだわった棚が続く。いて気持ちのよい古書店。記念に林翔『初学俳句教室』を買って帰る。いま古書店はどんどん数が減っているので、ぜひとも長く続いてほしい。

 

金魚である理由の泡を一つ吐く

 

梶原美那の句。

振り向かないで

1970年、エメロンCM ソング「振り向かないで」をハニーナイツが歌って大ヒット。「泣いているのか、笑っているのか。後ろ姿の素敵なあなた。ついて行きたいあなたの後を。振り向かないで東京の人」覚えていますこの歌詞。今ならストーカーだね。地名のところを替えて、シングルでは6番まであり、名古屋も歌われた。「雨の今池小さなスナック」とくる。当時の今池は飲み屋街として賑わしい場所だったんだな。時代を感じます。「抱きしめたいな名古屋の人」と歌われました。私は小学6年生、日本は万博に沸き立っていた。


一生の楽しき頃のソーダ


富安風生の句。

句集作成(5)

宅配プリントから2冊目の見本が届く。修正箇所は訂正され、頁数も無しにしたいページは隠せている。それでもまだ手を入れたくなり修正。朝起きて再度修正し、原稿データ送信。思いつく限りはチェックしたので、これでいいと思うが。急がしいが楽しい作業、早く製本された本を見てみたい。


夜の蟻迷へるものは弧を描く


中村草田男の句。