田中裕明賞

名古屋駅のゲートタワーにある三省堂へ行く。『第6回田中裕明賞』の雑誌が、無造作に棚に差し込んであり、2016年発行なのでもう3年も前の本だが値段が500円なのはお買い得ということで購入。第6回田中裕明賞の受賞者は鴇田智也『凧と円柱』で、選考過程の議論、記念句会、授賞式もそのまま記事にして収録され、リアルな発言が面白い。このシリーズはお買い得かもしれない。

 

水に輪があらはれ寒くなりにけり

 

鴇田智也、自選30句の中より。

本人確認

オレオレ詐欺の被害が拡大したため、対策として10万円以上の振込は受付窓口でしかできなくなっている。今日郵便局の窓口で振込をしようとしたら、社長名義の振込だったので委任状だ本人確認だと言われ、会社に戻り出直し。今度は委任状の筆跡は一人で統一してないと受理できないという。最初からキチンと説明してもらえれば対応できるのに不親切なことだ。たかだか振込に郵便局に3往復もさせられる。最近の金融機関の本人確認などの仕事は、顧客保護というよりも自己防衛のための仕事という感想をもつ。

 

秋風の吹きわたりけり人の顔

 

上島鬼貫の句。

西村麒麟

今年の角川俳句賞は西村麒麟氏が受賞との情報。この人の句集、確か買ったような気がする。山積みの本をひっくり返すと句集『鴨』が出てきました。買ったまま積ん読になっていたらしい。どんな俳句かしらと、朝の電車で読みだす。この人幾つも俳句の賞を受賞しているが、賞のコレクターなのかね。雰囲気は口語と文語のちょうど真ん中あたりにいる感じ。俳句の中をゆるゆると時間が流れていく。

 

鴨流れ次の一羽もまたゆるく

 

自選10句から。

天国の光景

テレビを見ていたら、ある芸人が板橋区の老人介護施設で働いていて、花見に老人を連れだしたところ、板橋区は老人介護施設の激戦区で、花見の場所は見渡す限り老人ばかり、ああここは天国かと思ったと喋っていて、思わず笑ってしまった。死んでからいく天国は、なるほど老人が大多数の世界なのだ。死んだ年齢がそのまま移行するなら、天国もあまりいいところではないなあ。

 

どの家も年寄りのゐて柿日和

 

白岩敏秀の句。

長良川鵜飼

今月21日(土)に長良川鵜飼を見る予定。小中学校時代の同級生10名が参加。人数が固まったので宿泊ホテルに連絡。5月に福島にいる同級生に会いに旅行をした際、今度は岐阜へ来いよということで実現した企画。岐阜県に住んでいても鵜飼を見たことのない者が多い。灯台元暗しということかな。

 

鵜飼舟舳先を西に下りけり

名古屋ハートセンター

手術後のフォロー検診に、名古屋ハートセンターへ行く。血液検査、心電図、レントゲン撮影をして、医者の問診。不整脈は消えたが、胸が苦しくなることが頻繁に起こり不快なこと限りない。しばらく様子を見ましょうと診断される。

 

吹きおこる秋風鶴をあゆましぬ

 

石田波郷の句。

忘れ物

歳をとったせいか、よく忘れ物をするようになった。

今日もドラッグストアーで買物をしてレジに行こうと思ったら財布のないことに気づく。財布は必ずバッグに入れるので、直接落とす可能性は低いが、軽いパニックとなる。とりあえず家に帰り置いてないかを確認、車の中も再確認。その前に財布を使ったのは、多治見のコンビニ。もう一度コンビニを訪れ、財布を置き忘れてないか尋ねると保管してありました。商品を受け取る際に財布をカウンターに置いてそのままにしてしまったらしい。財布が紛失すると、免許証、保険証、キャッシュカード、クレジットカードがはいっているので手続きが面倒。多治見市へ2往復となったが、まずはよかった。

 

末枯るるものにやさしく日のぬくみ

 

今井つる女の句。