『Number』藤井聡太特集

スポーツ誌の『Number』が、3日発売の最新号で、将棋の藤井聡太の特集をしている。勝負を競うという意味では将棋も、知的スポーツと言えなくもない。『Number』でも将棋特集は初めてのこと。記事も読み応えがあるが、スポーツ・グラフィック誌なだけに、写真が素晴らしい。
今朝の中日新聞でも『Number』藤井聡太特集が記事になっていたが、異例の即日重版で15万部とある。世間の注目の高さが分かるというもの。


天高しまだその先があるといふ

夜には雨が降っていたが、朝には降り止む。今日は雨の予報なので、この晴れ間も一時的なもの。駅へ向かう通勤途上、空に虹がかかっているのを発見。しかも二本。何だかうれしい気分。何かいいことがあるかな。


虹二重神も恋愛したまへり


津田清子の句。

第2回文庫100均祭り終了

岐阜市の古本屋「徒然舎」さんが開催していた第2回文庫100均祭りが8月31日で終了した。最終日は出し切れなった分を大きな棚を1本追加してならべたと、ブログに書いてある。この文庫祭りの文庫本を徒然舎に引き取ってもらったのは私です。わが蔵書たちの行方が気にかかるというもの。さてどれほど売れたのだろうか。秋にも第3回を開催予定とある。乞う、ご期待ですね。

 

秋祭棚埋めつくす文庫本

 

九月スタート

いつのまにか九月である。1年の4分の3はすでに終了している、追われように生きている気分。大雨の影響でJRが不通となり、1日の0:45に家にたどり着き、3時間ほど寝て、すぐに出勤。寝不足で身体が重く、気力が萎える。仲間うちの携帯句会の選句メールを発信する。俳句はすばらしい気晴らし。


キチキチバッタ自己記録更新中

噴水

残暑厳しく、噴水を見るとうれしい。


噴水はまこと大きな感嘆符


金子敦の句。

見立てが素晴らしい。金子敦は1959年生まれ、何だ1歳違いかと思う。噴水を眺めながら、ああでもない、こうでもないと考えるのかな。それとも一瞬のひらめきかな。

BLUE GIANT LIVE SELECTION

アマゾンで予約していた『BLUE GIANT LIVE SELECTION』が届く。『BLUE GIANT 』のライブシーン16話を大判サイズで編集した、25000部の限定出版。しかも雪祈退院の日を描く書下ろし8PとCD付きである。画面が雑誌サイズだと、受ける迫力が全然違う。楽しくて一気読み。

 

雪の夜の扉ひらけばいきなりジャズ

 

今井聖の句。

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愛誦の一句

『南風』9月号の「愛誦の一句」原稿の転載です。

 

大丈夫みんな死ねます鉦叩

 

作者の高橋悦子は、昭和十一年、東京都北区生まれ。第九回現代俳句協会年度作品賞を受賞した「シュトラウス晴れ」 の一句である。主観的な主張が述べられる作品は、結論が明示されていることから好き嫌いが分かれるところだが、作者の思いと読み手の思いがピタリとはまると強い断定が心地よく、一読して忘れられない句となった。

昭和十年生まれの私の母は、肺気腫で危篤状態になったが一命をとりとめ、今は老人介護施設のお世話になっている。八人兄弟であるが、妹にも先に逝かれ最後の一人となった。生きていることが負担になってきたのか『世話かけて、すまんねえ』『死ねんもんねえ』が最近の母の口癖である。すまないことは何もない。誰もが通る道を歩いているだけであり、未だかつて死ななかった人は一人もいない。母の話を聞くと、いつもこの句が思い出されるのである。

掲句は、いきなり「大丈夫」と強く宣言され、「みんな」とその対象は全員であると安心感が増幅される。

「死ねます」と、通常抱いている死にたくないという思いと真逆の発想が意表を突き面白い。秋の季語である「鉦叩」のチンチンの鳴き声が死に共鳴してよく効いている。

死は、平等に万人に与えられている。死によって過去の全てを清算できることこそが、人間の最大の「救い」なのである。古代中国の秦の始皇帝は不老不死の薬を求め、日本にも徐福が派遣されたとの伝説が残っているが、永遠に生きたいという気持ちが理解しがたい。もし永遠に生き続けなければならないとしたら、積み重なつてゆく失敗や後悔をひきずりながら歳月を重ね、清算は永遠に許されないことになる。この世が楽園でない以上、終わりのない人生、それは業苦以外の何ものでもない。死が無くなれば、その対象物である生もまた消滅してしまうだろう。生という概念がない世界を想像できるだろうか。