聖誕祭
【自解・萩原29】
「人気なき桜並木に雪の花」
雪の日、桜並木にも降り積もり、枝には雪の花が咲いた。花の季節ではないから、その花を見る人の姿は無い。
「聖誕祭生きとし生けるものに歌」
「長女亜美クリスマス演奏会」の前書き。長女が所属する大学の混声合唱団サークルの発表会がクリスマスにあった。お祝いの一句。
「冬の夜壁に向かいて開けゴマ」
アラビアンナイトの話に「開けゴマ」の呪文を唱えて、財宝を手に入れる話があった。何でゴマなのかわからないが、とりあえず「開けゴマ」と呟いてみる。
「熱燗や今日の手柄をひとり褒む」
誰も褒めてくれないので、自分で自分を褒めてやる。熱燗が、心も身体も温める。燗は人肌でお願いします。
「豆炭も煉炭も消え年流る」
いつの間にか、生活の場から豆炭も煉炭も消えて、見かけないようになった。いま暖房はエアコンかファンヒーター。囲炉裏や火鉢はすでに子供たちは、見たことのない物になっている。