根株杉

【自解・萩原55】

「土の中蝉が息する音幾万」

夏、蝉の声で溢れかえるが、まだ蝉が出てくる前の地中の存在に思いを馳せて。

「噴水や空に疑い四散して」

人間ドック再検査項目異常なしの判定に喜びの一句。

「翳さして紫陽花の宴始まりぬ」

アジサイ直射日光を浴びた姿はさほど美しくない。陰影の中でこそ、その美しさが際立ちを見せる花だ。

「汗拭くや猛る力の根株杉」

根株杉の恐るべき原始的なエネルギーに感動して。
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「沈黙の行列続く炎暑かな」

暑さに行列の人も喋らず、忍耐の時間。