虚子探訪(114) 落葉

【虚子探訪(114)】

 

「秋の蚊の居りてけはしき寺法かな」

 

大正13年。鮮満旅行の途次、10月14日平壤にあり。華頂女学院に於ける俳句会に臨む。正蟀、帆影郎、沼蘋女藤来る。韮城、橙黄子、雨意等同行。

秋の蚊がいるが、お寺の決まりに問題が起きそうな気配だ、というのだろうか。正直、よくわからない。

 

「ひらひらと深きが上の落葉かな」

 

大正13年10月31日。鮮満旅行の帰路、旅順に至る。新市街千歳倶楽部にて。

ひらひらと葉は落ち、地面には落葉が深く積み重なってゆく。