一切なりゆき

樹木希林の『一切なりゆき』(文春新書)を読んでいる。一風変わった俳優だったが、癌になってからは達観したかのごとし。彼女は抑えきれないものが自分の中にあり、爆発を防ぐために、内田裕也が必要だったのだろう。病気も彼女の抑えとしての役割を果たした。人間がそれぞれに抱える業というものがあり、正面から対峙した人だったように思える。

 

鳥帰る無辺の光追ひながら

 

佐藤鬼房の句。