一番最初の記憶

とある対談を読んでいたら、一番最初の記憶は何かという話題で盛り上がっていた。はて、自分の最初の記憶は何だ?
母の産道から見えた光が最初の記憶などと言えば格好いいかもしれないが、幼少の頃の記憶が思い出せない。母の背中に背負われていたことや、乳母車の中にいたことや、本当にうっすらとした記憶だけで、一つの出来事の絵にならない。保育園の頃から少しは映像の記憶が思いだせる。残念ながらこれが最初の記憶と言えない自分であった。
記憶は脳細胞のどこかにしまわれ眠っているのだろうが、ほとんどはそのまま忘れてしまうのだろう。まあ、記憶することが生きる目的というわけではないのだから、どうでもいいと言えばそうなのだが。


缶蹴りの缶見失う春朧