落合博満

久しぶりに一日で一冊本を読み切った。読んだのは鈴木忠平『嫌われた監督』(文藝春秋)、サブタイトルが「落合博満は中日をどう変えたのか」。週刊文春に掲載されていたノンフィクションである。落合博満には三冠王を取ったときから関心があり、落合博満の著書も読んできた。選手としても監督としても出色の結果を残したが、その理由が知りたかったのである。勝利を追求するために余分なものをそぎ落とし、孤高の人となった落合。落合の配下で戦った選手を通じて落合の思考・人物像をあぶり出して行く。なぜそこまでするのかというところまで実行できるから結果を残せるのだろう。ただし、途中のプロセスでは否定が発生し、否定されたものは反落合になる。落合は取り巻きを作らなかった。親分に成りたかったわけではなく、設定されたテーマをいかに最短で完了するかという競技者だったのだろう。


天高しすがるべきもの何もなし


福田蓼汀の句。