六十二歳

本日、誕生日。62歳となる。
感慨は特にない。
風邪をひいたのか、朝から頭痛。
午後から雨が降るというので、傘を持って会社へ行く。
本日は、栄のテレビ塔がリニューアルオープンの日、周辺の店がテレビで紹介されている。テレビ塔なんて上ったのは、いつだったろう。
まあ、なにが起きるわけでもなく、何となく時は過ぎていくのであった。


鰯雲舗道に響く靴の音

開高健の夫婦事情

嵐山光三郎の『生きる!』を読んでいたら、開高健の夫婦関係のことが書かれていて面白く読んだ。開高健の妻は、詩人の牧洋子で7歳年上、できちゃった婚である。開高は結婚した瞬間から後悔していたらしい。ベトナムへ行き戦争ルポルタージュを書いたのも、『オーパ!』の海外釣り紀行も、奥さんから逃げ出したいというのが動機にふくまれていたのは間違いない。そんな事情は全く今まで知らなかった。夫を支える良妻もいれば、夫の悩みの種の悪妻もいる。世の中の面白さである。

 

足跡の一つ大きく秋の浜

 

渡辺純枝の句。

 

平田弘史

平田弘史といえば時代劇漫画の巨匠。コンビニで「平田弘史時代劇傑作線 義士不屈」という雑誌が売られてをり、伝説のデビュー作品「愛憎必殺剣」完全収録とある。「愛憎必殺剣」は1958年に漫画雑誌『魔像』に掲載された。表紙も入れて15頁、平田はこれをわずか一晩で書き上げたという。絵のタッチは線に丸みがあり手塚治虫や初期の白土三平に似ていて、後年のリアルなごつごつした画風とは異なる。ストーリーは仇討ちを題材にして意外な展開が読ませる。1958年は私が生まれた年だから、六十年以上を延々と時代劇を描き続け、今も現役で先端を走り続けていることには頭が下がる。

 

桐一䈎おのれを打ちて落ちにけり

 

鷹羽狩行の句。

 

秋冷

 

肌寒さを感じるようになった。エアコンを全開しないと部屋の温度が下がらなかったのが嘘のようである。電車に乗る通勤姿も、半袖シャツから長袖シャツを着る人も増えていて、上着着用も見かけるようになった。秋に季節は変わっているのだ。さていつまで、半袖シャツを着ようか。

 

冷やかに海を薄めるまで降るか

 

櫂未知子の句。

キーボードの叛乱

先週から会社のパソコンの調子が悪い。何もしていないのに「・」や「/」の文字が勝手に自走するのである。キーボードが不具合の原因であることは突き止めた。おそらく「・」のあるキーのところが何等かの押した状態で元に戻らなくなっているのだろう。保証期間中なので業者に修理に出す。今週は、他のパソコンから借りたキーボードで仕事をしていたが、カ行に変換しようとしてもァ行でしか打てず、おまけに文字が自走しだして先週と同じ状態になった。乱暴に操作している訳ではないので、なんでこうなるのか途方に暮れる。

 

秋風や飛ばされながら蟻走り

 

深見けん二の句。

 

生きてる人の世の中!なのだ

嵐山光三郎のエッセイ集『生きる!』を買う。嵐山は1942年生れ、77歳と書いてある。もう、いやおうなしに死を見つめざるを得ない。「生きてる人の世の中!なのだ」は、序章のタイトル。嵐山が立ち会った葬儀が書き綴られ、最後に「「生きる!」という一点が、人間の最後の目標だ。」と記す。これは嵐山の死への抵抗宣言なのかもしれない。

 

俎板のまだ濡れてゐる良夜かな

 

田中ひろみの句。

土曜日の倖せ

6時30分起床。トースト、野菜サラダ、トマトジュースの朝食。

明日が飼っていた犬の1周忌なのでお墓の掃除をし、散髪に出かける。刈上げてもらい洗髪・髭剃りをして1650円。マクドナルドでコーヒー・タイム。

午後は、放置して草ぼうぼうの畑の草刈。作業終了後シャワーを浴びて、ベッドに寝転がり大岡信の『折々のうた』を読みふける。BGMはグールドのバッハ。クリムトのポスターと川瀬巴水のカレンダ―が部屋にはかけてある。好きなものに囲まれて、ゆっくりと秋の日が落ちてゆくのを感じる時が無上の倖せ。たわいもないことではあるが。

 

秋の野やものの底なる草の花

 

加賀の千代女の句。