2018-03-18 南風集 自作(6) 大抵のことは記憶にも残らないが、俳句を読み返すと、作った当時のことをありありと思い出す。不思議なことだ。 俎の十六ビート葱刻む 珈琲の皿に小さく冬日影 神主の礼深々と年明くる 三代の顔が見上げるどんどの火 初電車父と娘と相向かひ 大寒の夜走りゆく貨車の音 冴え返る車窓向かひに影法師 新調のジョギングシューズ春めける 梅林にしばしとどまる日差しかな