南風集 自作(6)

大抵のことは記憶にも残らないが、俳句を読み返すと、作った当時のことをありありと思い出す。不思議なことだ。

 

俎の十六ビート葱刻む

珈琲の皿に小さく冬日

神主の礼深々と年明くる

 

三代の顔が見上げるどんどの火

初電車父と娘と相向かひ

大寒の夜走りゆく貨車の音

 

冴え返る車窓向かひに影法師

新調のジョギングシューズ春めける

梅林にしばしとどまる日差しかな

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