記憶にございません

「タイトルを見た瞬間」

「てっきり自分のことかと思いました」 

「いい本もたくさん読んだのに、どうでもいい超大作も読んだのに」

「「いい本だった」ことは憶えていても、感動したり泣いたりもしたのに」

「ほとんどの内容を憶えていない。いったい何の為に読んだんだか」

「なのに今日もまた本を買っている」

「ムダじゃないのか?」

 

リディア・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』のタイトルを見て吉野朔美が書いたコミックエッセイ「記憶にございません」の吹き出しの台詞を並べてみた。そうです、ムダです。人は機械ではないのでムダができるのです。ムダがなかったら、つまらないじゃないか。「本の雑誌」に掲載されていた吉野朔美の漫画好きだったな。本の趣味は全く違うけど。

 

五月雨読みさしの本枕元