下手に電信柱。その下にベンチ。あとは何もない。夕方である。風が吹いている。犬の遠吠え。夜まわりの拍子木の音と《火の用心》の声。 別役実の1977年の戯曲『にしむくさむらい』のト書きである。別役実の舞台空間はいつも電信柱とベンチがある。どこでもな…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。