虚子探訪(112) 炎帝

【虚子探訪(112)】

 

「風鈴に大きな月のかかりけり」

 

大正13年7月27日。島村元一周忌(昨年8月26日歿追悼句会。妙本寺の墓に詣で島村邸に至る。

風鈴の掛けられた向こうに見えるのは大きな月。よい月がでている。風鈴が静かに揺れる。

 

「炎帝の威の衰へに水を打つ」

 

「炎帝」は夏の季語で、夏を擬人化した言葉。夏日の暑さもようやくおさまってきたよ、涼をもとめて水をまいたことだ。