虚子探訪(126) 蕗の薹

【虚子探訪(126)】

 

「夙(と)くくれし志やな蕗の薹」 

 

大正15年2月。元(はじめ)未亡人蕗の薹を齎(もたら)す。「夙(と)く」は朝早くの意。早朝に蕗の薹をいただいたよ,ありがとうございます、という句。

 

「古椿ここだく落ちて齢かな」

 

大正15年2月13日。田村木国上京歓迎小集。発行所。20日、内藤鳴雪逝く。

「ここだく」は、数多くの意。椿の古木から沢山椿の花が落ちて、年輪を感じるなあという句意。立派な大きな椿の木だと想像される。