虎落笛

虎落笛とは、冬の烈しい風が電線、柵、垣根などに吹き当たりもの哀しい笛のような音を発することをいう。いま無呼吸症候群への対策でCPAPの酸素吸入器を付けているが、酸素を送り込む音を聞きながら、ああこれは夜の寝室の虎落笛ではないかと思う。淋しいとか、哀しいとか思っても仕方ないので、蓑虫のごとく蒲団をかぶり寝る。


虎落笛抱き抱かれして人は老い


八田木枯の句。