池田澄子『句集 此処』

アマゾンで予約していた池田澄子の第七句集『此処』(朔出版)が届く。池田澄子もすでに84歳だが、まだまだ元気そうなのは結構なこと。口語と文語がくっついて独特の風合いの俳句は池田澄子オリジナル、だから読んでみたくなるのだろう。後記には、師の三橋敏雄、育ての父、母、そして夫が逝き「あとは自分の死だけである。自分の死は怖くない。」と書かれている。

 

ショール掛けてくださるように死は多分

 

生き了るときに春ならこの口紅

 

句集の最後の2句。死の気配に充ちているが、それはまだまだ先のことにしてほしい。