天然的傑作

穂村弘の『ぼくの短歌ノート』より。

人間は予感なしに病むことあり癒れば楽しなほらねばこまる

円柱の下ゆく僧侶まだ若くこれより先いろいろの事があるらむ

斎藤茂吉の2首。

穂村弘のコメント。
 あまりにもそのまんまシリーズ第二弾。「これより先いろいろの事があるらむ」って、絶対に外れない占い師の言葉のようだ。
 どの場合も、作者は完全に本気。ただ、なんというか、これらの歌はあまりにも非メタ的でありすぎて、現代の人間の目には冗談のようにみえてしまうのだ。晩年の作品だってこともあるだろうけど、この天然振りは凄い。


笑ってしまった。