句集『稲津』(32)蝸牛

【句集『稲津』(32)】

同窓会名前呼び捨て麦酒つぐ


同窓会で昔の友達にあえば、敬称などつけない、ストレートに名前だけの呼び捨てで会話がはずむ。利害関係のない付き合いができる学生時代の特権だろう。


蝸牛いま這ひだしたところなり


タツムリが、ゆっくりと動いてゆく。あわてないでほしい。カタツムリにはカタツムリのペースがある。自分にあった速度で進めばよい。まだ始まったばかり、これからの未来を刮目して待て。