螳螂の冒険

駅のプラットフォームで電車待ちをしていると、胸のあたりがモゾモゾするので手で払うと、カマキリが地面に落ちてひっくり返り、動けるように足をバタバタさせている。やがて反転して何処かに消えた。電車に乗りシートに座っていると袖の辺りに動くものが。さっきのカマキリである。いつの間にくっつかれたのだろう。腕のあたりから、膝の上に載せた鞄の上を歩いていたが、隣の人の方へ移動していった。その後のことは知らない。遠くへ行きたいのは人間だけではないのだ。しかし電車を利用するとは、賢い奴だ。朝の珍事でした。


蟷螂の覗き込みたる袖の下