住宅ローンの落とし穴

会社の銀行担当者が、家を新築して住宅ローンを借りたと言う。75歳までの返済年限でローン金額35百万円だそうだ。賃貸住宅の家賃並みの返済額で、住宅ローン控除もあるから決断したと話してくれる。長期のデフレの中で、住宅価格だけが下がらず膨れ上がった。宝くじの一等の当選金額みたいなものだ。住宅ローンの怖さは、誰もそれが返済できるか判らないことである。特に収入の裏付けが無い65歳以降の返済はリスクそのもの。年金で返済は難しいし、退職金も貯蓄も有るか無いか判らない。ローン途中で死亡すれば団信保険が適用されるが、病気などで延滞して返済不能になれば自己破産や競売となり、資産形成のはずが負債のまま終わってしまう。長期のローン期間は、前半部分はほとんど金利返済。元金はなかなか減らない。そんな長期のローン返済は今まで無かったのだから、書類作成は出来るが誰もリアルな現実を体験していない想像の世界。高齢になった自分など誰も想像出来ないし、その頃社会がどうなっているか誰がわかるだろう。結局、家が欲しければリスクを取るしかないのである。住宅ローン利用者にハッピーエンドが訪れることを願うばかりだ。