『昇龍夜叉』の夜は更け行く

友人から誘われて愛知県芸術劇場小ホールで開催された『昇龍夜叉~即興による音楽とアートの融合~』を見に行く。日本画家長谷川喜久と音楽家ホッピー神山のライブパフォーマンス。2名ともその業界では有名人らしいが、今回の催事をはじめ何もかも初体験である。舞台には200号ほどの巨大画布と絵を描く道具が置かれ、その横にピアノが配置されている。1時間半の予定だったが、長谷川氏がトランス状態に入り40分以上超過する。絵は最初立て掛けらていたが、途中は床に置かれて制作が進み、また立て掛けられて描き終えた。絵の制作過程がライブで見られて興味深い。どこまでが事前準備でどこまで即興なのかはわからない。また絵画の即興制作に価値はあるのだろうか。音楽も2時間も行方知れずの演奏は大変なことだが効果音に過ぎない。画家が自分の好きな音楽の生演奏で、衆人環視の締切の中で描いたら、どんな絵が出来るのかという実験なのだろうか。初体験に考えがまとまらないなか、パフォーマンスは進み夜は更けてゆく。