渡辺和子

渡辺和子という人については、修道女で『置かれた場所で咲きなさい』という随筆集の著者ということしか知らなかった。梯久美子の『この父ありて 娘たちの歳月』を読み始めたら、最初に取り上げられているのが渡辺和子で、二・二六事件教育総監の父渡辺錠太郞が惨殺されるのを目撃したことが書かれている。衝撃的な事実なのだが、この父の死についての渡辺和子と家族の対応に考えさせられ読むことを中断してしまった。同じ日本人なのだが、今は見ることが少なくなった人達がいるといえばいいのだろうか。新渡戸稲造の『武士道』、ルース・ベネディクトの『菊と刀』に記された日本人である。それがいいとか悪いとかではなく、変わった日本と日本人について思いをめぐらした。

 

梅の花父の背中におぶさりて