櫂未知子『貴族』

4:30に目覚めたら、寝られなくなり仕方がないので、Amazon で買った櫂未知子の第一句集『貴族』を読み出す。作品自体は『セレクション櫂未知子』で読んでいるので初見ではない。1996年初版で、櫂未知子が36歳で出した句集。今読んでも新鮮、作者の気合が伝わってくる。櫂未知子は1960年生まれ、句集の中に使われた「太陽にほえろ」や「郷ひろみ」「団塊」などの文字に同世代の感を強くする。男女間の揺れる感情の句もいいが、亡くした父の句に心ひかれた。

 

ぎりぎりの裸でゐる時も貴族

性格が紺の浴衣に納まらぬ

眠るたび父は銀河に近づきぬ

 

第二句集の『蒙古斑』も現物を手にしてみたい。

 

ストーブや遠き島なる佐渡ヶ島