機種変更

スマホが、容量がいっぱいになったのかサクサク動かないので機種変更をした。

したのはいいが、新しいスマホにまだ慣れないせいなのか上手く使えない。操作に手間取るのでストレスのかかること、おびただしい。使いこなせない自分が悪いのだが、ほんとに疲れる。

 

新米を積み込む揺れの舳かな

 

山尾玉藻の句。

 

 

 

 

石橋辰之助

岐阜市の徒然舎に本の処分の相談に行き、ついでに『定本・石橋辰之助句集』(俳句研究社、昭和44年初版)を見つけ即購入。石橋辰之助は山岳俳句のパイオニアであり、まとまって俳句が読めるのは嬉しい。石橋辰之助は40歳で亡くなっているが生前に5冊の句集を出している。電車の中で、昭和10年の第一句集『山行』を読みだす。気持ち良い山の風が吹くような俳句が続く。もっと読み直されて良い俳人だと思う。

 

朝焼の雲海尾根を溢れ落つ

 

石橋辰之助「山行」より。

正岡子規は柿が大好きだった。「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の有名な句を残している。昔はどの家にも柿の木が植えられていて、秋になると竹竿で収穫し,食べきれない分や渋柿を干柿にしたものだ。今や柿など見向きもされず、柿の実は鳥たちの食べるものとなってしまった。岐阜県の西濃地方は、富有柿の産地。見事な艶の甘い柿がたわわに実る。

 

よろよろと棹がのぼりて柿挟む

 

高浜虚子の句。

 

動物園

神野紗希のエッセイを読んでいたら、長野県小諸の懐古園にある動物園で、からっぽの檻があって、「ヒト(人間)」の札がついていたとある。客が自ら中に入り、展示動物の気分を味わうという趣向らしい。その檻にはヒトの説明が添えられていて、「言葉を発する。文字が書ける」「頭は良いが、とても危険な生き物」と書かれていた。笑ってしまった、確かにヒトは最も危険で恐ろしい生物だ。いまだに戦争も内紛も絶えたことがなく、ヒトは殺し合っている。

 

稲妻のぬばたまの闇独り棲む

 

竹下しづの女の句。

茸を袋に山盛りもらった。こんなにお裾分けをできるのだから、さぞ沢山の茸に遭遇したのだろう。もらった茸は、我が地域では「いくち」と呼ぶ茸で、傘がぬるぬるしていて、喉元をつるりと滑るように通る。傘のゴミを取り茹で上げて生姜醤油で食べました。アツアツの茸を食べるのは田舎住まいの醍醐味というべきか。

 

一日はおまけのごとし茸汁

 

宇多喜代子の句。

『漱石全集を買った日』

漱石全集を買った日』(夏䈎社、2019年)は、サブタイトルが「古書店主とお客さんによる古本入門」で、古本好きが高じて古本屋「古書善行堂」を開業した山本善行とお客の清水裕也の対談集。古本病にかかった重症患者のよもやま話が古本好きにはたまりません。山本善行と友人の岡崎武士の古本関係の本は、本当によく読んだ。私も古本病にかかったくちであるが、蒐集の文字のなかには鬼がいるのである。あー、恐い恐い。

 

亀甲の粒ぎつしりと黒葡萄

 

川端茅舎の句。