携帯句会第100回

大学時代の友人達と行っている携帯電話によるメール句会が、回を重ね100回に到達した。真夜中に投句を編集して、本日朝の8時に選句メールを配信する。最初は飲み会の余興で始まった携帯句会だが、ノリのよい仲間達は私の趣味に付き合ってくれて、俳句初心者の集団は指導者無きまま、自由に自分の俳句を作っている。つきあい優先なので堅苦しいことはなし。それでもそれなりに俳句らしくなってきたのは、研鑽の成果ありというべきか。100回を記念して合同句集を作ろうということで、ただ今鋭意編集作業中。表紙のデザインも決まり、後は細かな作業と打ち合わせ。発刊の時期は私の作業次第なので、とにかく頑張ります。


送信キー押して出稿風薫る


松尾正晴の句。

本日は晴天なり

 本日晴天。昨日の雨が上がり、雲一つない青空が広がる。
 家の敷地と、隣接する休耕田の草刈りを敢行。一気に伸びた雑草の背の高いものだけ切り倒していく。また雨が降れば、すぐに茫々としてしまうが、やらないと手がつけられなくなってしまう。夏が終わるまでは雑草との戦いである。
 草刈りを終え、一風呂浴びたところで、名古屋古書会館の古書即売会「名鯱会」に出かける。買いたいものは無いが手ぶらで帰るのも癪なので、ユリイカ松本大洋特集号を500円で購入。鶴舞の山星書店と大学堂書店を覗いた後、名古屋駅に出てジュンク堂書店へ。恩田侑布子の新刊『混沌の恋人』(春秋社)と文庫1冊を購入。いけす茶屋みどりで昼食。本日の日替わり定食はスープカレー。たっぷり鶏肉が入り、ひじきの小鉢をつけて900円。満足して家路につく。


かき揚のからりと揚がり夏隣


岸田稚魚の句。

白山と三田さん

少年サンデー連載中のくさかべゆうへい『白山と三田さん』のコミックスを買ってしまった。このマンガ一風変わった男女カップルのお話で、主人公は田舎に暮し東京へ出ることを切望する友人が一人もいない高校生の白山と、社長令嬢でゴルゴ13マニアの三田さん。ひょんなことからつきあい出した2人だが、合うような合わないような微妙な関係性がおもしろくて読んでいる。どこまで話が続いていくのか、第2巻が5月18日に発売されるという、期待したい。

 

 

 

全句批評の試み

『俳句』5月号の書評欄で、中岡毅雄が加藤哲也『女性俳句の覚醒ー櫂未知子試論ー』の全句批評について論じている。櫂未知子は好きな俳人なので、本書を早速購入した。句集一冊の全句批評は、よく見かける。一作家の既存句集の全句批評というのは見たことがない。対象となる句数が膨大になり批評内容が散漫になる。中岡毅雄も書いているように全句が秀逸句ではない。作者しか分からぬ意味不明の句が紛れ込むし、何割かは読み手にとってつまらない句である。それを、わからない、つまらないと記すことは、作者を正しく評価することにつながらないだろう。全句批評しようと一人の人間に思わせる櫂未知子は大したものだと思う。余談だが、加藤哲也は最近精力的に批評本を毎年数冊ベースで出しているが、どうしたんだろう。

吉田拓郎ラストアルバム

吉田拓郎のラストアルバム『ah-面白かった』が6月29日発売になる。拓郎も76歳、いよいよ音楽活動も終止符を迎える。青春時代にフォークソングの洗礼を受けた世代である私は、ご多分に漏れず吉田拓郎に強い影響を受けた一人。1970年デビュー以来52年、最近は肺ガン、喉頭ガンと闘病しながら頑張ってきた。かつて拓郎は「たどり着いたらいつも雨降り」と歌ったが、俺に残された時間は少ないと語る中で、アルバムタイトルのように「面白かった」と言い残せるならファンとしても言うことはない。


ぐんぐんと夕焼の濃くなりきたり

                  
清崎敏郎の句。

CPAP

 CPAPとは、鼻に装着したマスクから空気を送りこむことにより、ある一定の圧力を気道にかける方法で、Continuous Positive Airway Pressureの頭文字をとってCPAPシーパップ)と呼ばれる。睡眠時無呼吸症候群SAS)の治療法で、私も毎日機器を装着して寝ている。
 爆笑問題太田光夫妻は、睡眠時無呼吸症候群で、夫妻揃ってCPAPを装着して寝ているという記事を読み、ご同輩なのかとにわかに親近感を覚える。機器を装着して二人並んで寝ている姿を想像すると、それはそれでシュールな光景である。
 CPAPにより、睡眠時無呼吸症候群をなおすことはできないが、身体への負担が軽くなるのは事実。最早、死ぬまでお友達の関係である。 


春眠といふ深海にただよへり


鷹羽狩行の句。

ウクライナ

ウクライナにロシアが侵攻して2か月になる。戦禍は止みそうにない。ロシアという国の理不尽さを十分思い知らされた2か月であった。


春嵐荒野としたる独裁者


万愚節轍噴煙瓦礫屑


露兵ワシコフ叫びて向日葵撃ち落とす

(西東三鬼の句のパロディ)