柳家

瑞浪市にあるジビエ料理の名店『柳家』に、いつものメンバーが集結し、料理を堪能する。メンバーも現役を引退した人が増えて、平日の予約に切り替えた。久しぶりの再会に話題は尽きず、あっという間に時間が過ぎる。何しろ、柳家の料理を楽しむために集まる同好の志である。20年以上続けているので昔話にも花が咲く。わいわいがやがや、牡丹鍋に自然薯のとろろ飯を食べて満腹、もはや言うことなし。

 

車座に鍋底さらふ薬喰

山本健吉

こどもの頃、学校の図書室には伝記の本がならんでいた。偉い人かどうかの評価は横に置くとして、人は先人の生き方を見て歩むしかない。司馬遷の書いた歴史書史記」も伝記の集合体である。

丸善の棚に『山本健吉』(井上泰至著、ミネルヴァ書房、2022年初版)を見つけ購入して読みだす。山本健吉は、俳句を始めれば誰でもその名に触れずにいられない人物である。著者の井上泰至は、硬質な文章で山本の生涯を丹念に追いかけていく。山本は肺疾患で兵役免除、戦時の貧困で先妻石橋秀野を亡くしている。自らのことを語ることは少なく寡黙の人だったが、すべてを仕事の中に昇華させた。惜しむらくは西行論を完成させてほしかったと思う。今年読んだ本の中でも心に残る1冊となった。

 

薯畑にただ秋風と潮騒

地の果に地の塩ありて蛍草

幸なるかなくるすが下の赤のまま

 

草の乱の舞台となった原城址で残した山本健吉の句。

山本健吉が俳句を作るのは珍しい。

 

 

小椋佳

今週NHKの歌番組で小椋佳の姿を久しぶりに見た。来年でコンサート活動は終了するとのこと。小椋佳も78歳、もはや往年の歌声ではない。人は誰しも引き際がある。残念だけど仕方がないことだ。

夜中に小椋佳のCDを聴いていて気づいたのは、この人の歌の根底にあるのは「喪失感」なのだと思う。歌詞に多いのは「過ぎ」の文字。過ぎ去った時間は、現在の状況に対する反措定として、甘美な抒情へと転換していく。美化された青春の追憶へと人を誘うのである。

米子空港のロビーで一度だけ小椋佳を見かけたことがある。『さらば青春』の歌を初めて聴いてから、どれだけの年月が流れたことだろう。

 

僕は追いかけはしない

遠く過ぎ去るものに

僕は呼びかけはしない 

かたわらを行くものさえ

名古屋牛乳

青柳ういろうのCMソングを書いていて、ついでに思いだしたのが、名古屋牛乳のCMソング。

 

シャチのマークの牛乳を

家中み~んな 飲んでるの

名古屋牛乳飲んでるの

 

これも子供の頃よく聞いて、今でも歌えるぐらい、記憶に刷り込まれている。シャチホコマークのロゴイラストも印象的だった。今でも売られているが、もともとの会社は乳業事業から撤退し、毎日乳業が事業を譲り受け、今は大阪で作られているとのことである。

青柳ういろう

キオスクで「ういろう」を衝動買いした。秋バージョンで栗味、芋味2個ずつ箱に入っている。ういろうは名古屋名物となっているが、今の人は和菓子のういろうなんか食べるのだろうか。我々は子供の頃にテレビで聴いたCMソングですっかり洗脳されているので、ふと食べたくなったりするのである。

 

♪悔しかったら言ってみな

 白・黒・抹茶・小豆/あがり・コーヒー・柚・桜、

 七つの味を残らずポイ、

 ポポポイのポイポイポイ。

 あおや~ぎういろう~食べちゃった~ぁ♪

「ぎふ信長まつり」とキムタク

いや本当にすごいとしか、言いようがない。地方の祭り行列にキムタクが来るというだけで、大騒ぎである。11月6日、織田信長に扮した木村拓哉岐阜市中心部を馬に乗ってパレードした。2019年に開催された前回から8割増の約46万人の見物客が訪れたという。1万5000人分の観覧エリアの抽選には約96万人の応募があり、その倍率はなんと64倍。岐阜市の人口は約40万人、桁外れの集客力である。一人の人間が個人の魅力で、こんなにも人を集めることができるのかと思うと、ちょっと感動する。木村拓哉伊藤英明に連れられてベトコンラーメンを食べたなどというエピソードもうれしい。岐阜市に住んでいた時は、よく食べたなあと懐かしい。

 

天高し木村拓哉の男前

紅葉狩

今日も行楽日和、妻と2人で紅葉狩のドライブをする。最初に目指したのは中津川市の付知峡、不動滝を見るために結構な運動量となった。加齢のせいか、どうも高い所や吊り橋が苦手になった。付知の町で行列が出来ている喫茶店「栗が好き」を覗き、本家の和菓子店「一茶堂」で栗粉餅と栗パイを購入。次に恵那峡へ向かう。恵那峡の「もみじまつり」は、2週間後の19日.20日で、紅葉はまだたいしたことはない。遊覧船の出港を眺めて次に移動。次に向かったのは瑞浪市鬼岩公園。松野湖は水量は少しだが、湖面は真っ青できれいだった。「了庵」でコーヒータイム。遅い昼食兼夕食を御嵩の「富士屋」で取り帰宅。

 

紅葉狩とはひたすらに歩むこと

 

黛まどかの句。