林ふじを句集 川柳みだれ髪(2)

林ふじをの川柳を1月27日に紹介したが、もう少し紹介を続けたい。
普通は生の感情をそのまま、文字にして書き連ねても伝わらない。本書では作品として成立していて、林ふじをの「ほんとうの私」を表現したいとする息遣いがうかがえる。各章ごとに数句を抽出していく。

「Ⅰ鼓動」の29句より。昭和30~32年の作品。


「ひとりだけかばつてくれて好きになり」

「貴方の色彩が私をいつぱいにする」

「無視された私の座る場所がない」

「無駄のない話に夢がなさすぎる」

「頼つてはならずさりとて頼りたし」