虚子探訪(78) 通草

 

【虚子探訪(78)】

 

「太腹の垂れてもの食ふ裸かな」

 

大正4年6月20日。発行所例会。裸姿で物を食べているその人の腹は、大きな太っ腹でしかもだらりと垂れている。デブなんだろうな。

 

「烏飛んでそこに通草(あけび)のありにけり」

 

烏が飛んでいったところには、餌になるアケビがあるのであった。アケビはバナナに似ているが、皮は暑くて硬く、身は白いが種がやたらと多いのである。

大正4年10月9日。京都三条小橋の万屋にあり。大和の浜人来る。王城、鱸江、秋蒼と共に句作。