虚子探訪(193) 猫の恋

【虚子探訪(193)】

 

「風の日の麦踏遂にをらずなりぬ」

 

昭和7年2月13日。荻窪、女子大学句会。

風が強い日なので、麦踏みをしていた人も、とうとう誰もいなくなってしまった。

 

「学僧に梅の月あり猫の恋」

 

昭和7年2月22日。薺会句会。

修業中の僧侶に梅の木からこぼれる月光、猫の恋は今たけなわ。