虚子探訪(233) 遍路の墓

【虚子探訪(233)】

 

「船の出るまで花隈の朧月」

 

昭和10年4月24日。播水招宴。神戸花隈、吟松亭。

花隈は神戸港の発展に伴い花街として栄えたところ。朧にかすんだ春の月に照らし出され、出港までの旅情がただよう。

 

「道のべに阿波の遍路の墓あはれ」

 

昭和10年4月25日。風早西の下の句碑を見、鹿島に遊ぶ。松山、黙禅邸。松山ホトトギス会。

阿波を出発し、やっと伊代へたどり着いたが力尽き倒れた遍路の哀れ。