2017-01-30 月と六ペンス 愛知県美術館に「ゴッホとゴーギャン展」を観に行く。 高校生の頃、サマセットモームの『月と六ペンス』を読んだ。もう内容は忘れてしまったが、ストーリーにぐいぐい引き込まれ、ラストシーンのめくるめく盛り上がりは、小説を読む快感を存分に味わったことだけが記憶に残っている。この小説のモデルが、ゴーギャンなのである。 ゴッホ展は何度も見ているが、ゴーギャンは初めて。「タチヒの3人」がすごく良いと思ったが、作品数は少なくゴーギャンを味わうには物足りない。ゴーギャンが追い求めた「月」(幻想)は何だったのだろう。「六ペンス」(現実)はその生涯と作品が残されたが。 これやこの冬三日月の鋭きひかり 久保田万太郎の句。