言葉遊び

漫画の『山口六平太』を読んでいたら、有馬係長と部下の村木が、出張の時間つぶしに面白い言葉遊びをしていた。有馬係長は当初連歌をしようと思っていたが、村木が素人なので方針変更。五七五七七を分解して、五文字と七文字それぞれ思いついた言葉を紙に書きだし、それを混ぜて出来上がった五七五七七の短歌もどきに、解釈をつけるというもの。バラバラの言葉の合体だから、解釈は屁理屈だけど、想像あるいは妄想の世界が楽しい。偶然が生んだ言葉の束から物語を生み出すのは、スリリング。連歌が流行した理由がなんとなく分かる気がする。


雪ながら山もとかすむ夕かな (宗祇)
行く水とほく梅にほふ里 (肖柏)
川かぜに一むら柳春みえて (宋長)
舟さすおとはしるき明がた (宗祇)

「水無瀬三吟」の冒頭。