田中惣一郎

田中惣一郎は第5回芝不器男俳句新人賞特別賞の受賞者。『NHK俳句』9月号で小澤實が令和の新星として紹介している。私の関心を引いたのは、彼が岐阜県高山市の出身であること。俳句も故郷の風景を題材にしており、岐阜県人としては応援したくなる。都会から故郷の自然を詠い、万葉集などに使われている古語を使った俳句が特徴だが、スタイルに拘泥すればそこまでであり、古語にとらわれる必要はないだろうと思う。

 

寸前の今の鰍ぞ消たりける

素潜りの泡の上がる山女魚かな

いちどきに降る雪となり降る速さ

 

田中惣一郎の3句。