句集『稲津』(46)雪の下

【句集『稲津』(46)】

梅が枝力集めて待ちにけり


梅の小枝には、びっしりと蕾がついていて開花の時期を待っている。出番を待つ役者のようだ。全ての力を解放して花を咲かせる、舞台は次第に整っていく。


緑葉に朝迎へ入れ雪の下


雪の下は、山地の湿った場所に生えているが、観賞用に庭にも植えられている。我が家にもあります。脈に沿って縞模様の斑が入った円い葉をつけ、初夏に下二枚の花びらだけが大きな白い五弁の花を咲かせる。高浜虚子は雪の下が好きだったらしい。