句集『稲津』(118)フライドポテト

【句集『稲津』(118)】

年忘れフライドポテトの山崩す


忘年会の宴席に出された山盛りのフライドポテト。次から次へと手がのびてきて、元の形はどんどん崩れてゆく。ビールを飲み干して一年の労をねぎらう。


晦日ずらりと吊り輪空き車輌


晦日の電車は、通勤の会社員も通学の学生もいない。空席だらけのガランとした車輌となり、誰も使わない吊り輪か並んでいる光景はシュール。