句集『稲津』(68)未来

【句集『稲津』(68)】

濃き眉のままに逝きけり年の暮


その人は、太くて黒々した眉毛をしていた。体調を崩して休んでいたが、亡くなったとの報せ。年末の慌ただしい中の訃報、
突然に人はいなくなる。


年新た押し寄せてくる未来かな


晦日、新年がやってくる。未来は海岸に打ち寄せる波のようだ。この俳句を詠んだ年は、環境が大きく変わり怒濤のような日々が続いた。